コラム&エッセイ

モデル・ボディメイクトレーナー 佐々木ルミ

モデル・ボディメイクトレーナーの佐々木ルミです。

今回、私も普段個人的にお世話になっているLLMPさんのページでのコラムということで、なにを書いたらいいのだろう?と考えました。

ダイエットのこと?トレーニングのこと?ボディメイクの食について???

悩んだ挙句、初回は、私が何故、モデルからボディメイクトレーナーという職に就くことになったのか、今の私の原点的なお話をしたいと思います。

私は20代からモデルの仕事をはじめ、ロンドンやニューヨーク・東京のコレクションや雑誌・CM・広告など、モデルとして、数多くの才能あるクリエーターやアーティストの方々と幅広くお仕事をさせていただきました。

その頃は特に(というか全く)運動もせず、お恥ずかしながらあまり食事などにも全く気を使わないタイプでしたが特に体型に悩むこともなく、モデル体型をキープすることができていました。

それが大きく変わったのは20代後半になった時です。

その頃は今の時代と違って30歳以上の女性モデルの活躍の場はほぼありませんでした。

モデルの女性は結婚していつの間にか引退をしていたか、女優やアーティストなどの道へ徐々に移行していくような人が多かったように思いますが、その頃の私には自分が情熱をかけて進みたいと思う道がなく、かといって結婚相手もおらず……。

毎日毎日、ただ与えられたことをこなしていました。

そうしているうちに仕事も以前のようにうまくいかなくなり(当たり前ですね)仕事や恋愛といった悩みやストレスにうまく対応できず、満たされない寂しい心を食で埋めることを覚えてしまい、急激に太り始めました。28歳くらいのことです。

そんな時、急な仕事の連絡が入り、急いで元に戻らなきゃ!と思ったのです。

今思えば、その時にきちんと過食の原因を見つめなおし、その仕事は決まらなかったとしても、時間をかけて正しいダイエット法で減量をすれば、その後10年以上も拒食と過食を繰り返すダイエット地獄を見ずに済んだのかもしれません。

でもその時に私が手を出したのは断食しながらの毎日1~3時間のウォーキング。それを1週間続けました。

しかも水だけの断食です。

無謀で極端すぎる方法でしたが、「早くやせなきゃいけない」という強迫観念が冷静な判断を失わせていたのかもしれません。

そもそもその時点で過食に陥っていたわけですから、正しい判断すらできない状態にあったのでしょう。

1週間も何も食べず過ごしたら、それは劇的にやせていきます。

そして「また太ったらこの方法でやせればいい」という逃げの思考回路と、「やせていない自分は完璧じゃない」という考えを身につけてしまいました。

そしてダイエット期日が終わったとたん、コントロールできない、心の底から湧き上がるような食欲が暴走し、なにかに憑かれたかのように食べ始めました。

欲望が私を動かしている感覚です。

食べられるものならなんでもよかった。

ただお腹に詰め込みたい一心で、食べている時だけは体型や他の悩みから逃れられていました。

その結果、体重はもちろんのこと、精神的なリバウンドとも言えるような気分的な落ち込みも激しく、自分を卑下し、またそのやるせなさを食で埋める。

その時は、この行動が自分の首を絞めているのがわかっていても辞められないのです。

そこからは程度や期間の差はあるものの拒食と過食を繰り返し、やせてはリバウンドのヨーヨー状態。

自分のカラダの完璧じゃないところ(コンプレックス)にばかり目を向け、物事の基準が「やせているか」「太っているか」の2択と言っても過言ではないくらい私は支配されました。

幸せの基準が体型になってしまい、自分でもどうすればいいのかわからず、途方に暮れていたところに出会ったのが「トレーニング」でした。

元々学生時代はバレーボール部で運動神経には多少なりとも自信はあったのですが、いざ始めてみたものの結果は惨憺たるもの。

実はスクワットすらろくにできない状態でしたが、カラダを動かした日はどことなく気持ちが前向きになっていることに気づきました。

そこで、理想の自分と現実の自分とのギャップや、体型のことばかり気にしている毎日に疲れ切っていた私は、もう、やせたいとか、ダイエットのことなんか考えるのをやめて、普通に好きなものを食べながら、普通に健康に気をつけた食事をして、普通にカラダを動かしてみよう!と思ったのです。

もうダイエットに振り回されるのはたくさんだったから。

50歳、60歳になっても私はこんなことを続けているのだろうか……そう考えたら心の底からゾッとしたのを覚えています。

そこからは目的が、「やせる」ことから「引き締まりメリハリのあるボディメイク」へと変わり、美容と健康のためにどういう栄養を摂ればいいのか、ということにもどんどん興味がわいてきました。

適度な運動で得られる爽快感が結果的にストレス発散にもなり、よく寝られるようにもなりました。

もちろん、今日は疲れていてトレーニングもやりたくないな~と思う日も少なくなかったのですが、そういう日こそ、少しでも、1種目だけでもやった後には、やっぱりやってよかった!気持ちいい!私えらい!なんて笑顔になり、疲れていたのになぜか動く前より元気になっていました。

そうして、やったことはほんの少しだけでも、「今日は自分のために出来る事をやった」という気持ちが、自信となって私に戻ってきました。

それが、私がダイエットという鎖から解き放たれた瞬間で、私が「トレーナーになりたい」と思った瞬間。

10年以上もダイエットの暗黒時代をさまよっていた私だからこそ、ダイエットや自分の体型で悩んでいる人たちに伝えられることがあるのではないか?と。

ダイエットに苦しむ人やうまくいかない人は、初めから目標を高くしすぎたり、頑張りすぎることで自分に課した約束を破り続け、自身のない自分を作り上げてしまいます。

そうしてどんどんコンプレックスにばかり目を向けるようになってしまう。

以前の私だったら、まだまだ太っている、ここにぜい肉がある……と思っていたかもしれない体型でも、「いつでも正しい方法で体型をコントロールできる」というすべを身に着けただけで、今は必要以上に自分の体型に思い悩むことなどもありません。

それが可能なのがボディメイクなんですね。トレーニングをしながら正しい栄養をきちんと摂ること。

私は、私が以前苦しんできたように、間違ったダイエットやボディイメージで苦しむ女性を少しでも減らしたい、との願いを胸に、今までダイエットに長く苦しんできた女性にも、そして、間違ったダイエット法に手を出して心身のバランスを崩してしまう女性を減らすためにも、日本中の女性にトレーニングで元気に、キレイになってほしいという思いで日々活動しています。

今後LLMPでのコラムでも、私の食生活や運動の種類、生活のルーティンなど、お話できればと思います。

 

【イベント情報】

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■3月24日(土)16:30~17:30
「骨盤調整~美姿勢メイク」オープンクラス@メガロスルフレ恵比寿

詳しくは http://www.rumisasaki.com/newsまで。

 
 

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