コラム&エッセイ

iinaとシゴト

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「iinaの旅」

やっと厳しい寒さから、個人的に、春の気配をそっと感じるような季節の移り変わりを感じている今日この頃。今回は「仕事とワタシ」をテーマに書いていきます。

仕事ってなんだろう。

辛くて苦しいもの。お金のため、生活のため。することが当たり前だから。生き甲斐。喜び。

色々な思いがあると思います。私もこれ、といった言葉が見つかりません。人間として生まれて、大人になったら仕事をするっていうそのレールみたいなのに乗っかっているだけ。

私は今現在、ひとりで仕事をしていますが、とっても楽です。

楽しいかどうかはみんなでやるもの楽しいかもしれないけれど、ひとりは楽。

以前はどこかに務めたり、色々な人と働いていたこともありますが、色々な職を経験した結果、私はチームプレーに向かないことが判明しました(笑)

うん、協調性があんまりない、みたいなことを小学生の時、通信表に書かれていたこともあったような。父親にもお前は会社員に向いていない、と言われ、何くそ、会社員くらいできるわい、と思っていましたが。

えー自分ではまあまあ協調性あるつもりでいたけど。。まあ確かに人に合わせるの嫌いだから大体のこと一人でやってしまうし、そう書かれたり言われたりしたのも今でこそ納得しておりますが。

会社などで協力をして何か仕事をする、というのが一般的な働き方だと思いますが、責任の所在がないのがとても自分の中でもやもやする。

ミスがあれば誰かが誰かのせいにして、逆に成し遂げても自分の功績ではない気がして心から喜びを存分に感じれなかった。

何をやっても、仕事辞めたいとしか思わなくて、私は何が嫌なんだろう、ってずっと自分に問いかけていた。そしたら、ひとりでやるってことが最終的にしっくりきて今に至ります。

あー私、本当は誰にも邪魔されたくなかったんだなあ。って思う。

職種や労働時間や賃金、色々な条件があって、職を変えたところで納得いかなかったのは「ひとりで仕事ができないから」だから、何回仕事を変えてもしっくりこない。

仕事について、何かもやもやしている人は、私って本当は何が嫌なの?って自分の胸に手を当ててちゃんと訊いた方がいい。

給料が安いから。。とかは上っ面の理由かもしれないよ。自分は本当は何に嫌がっていて、どうなったら楽しいのか。しっかりと何回でも問うてください。

こんなこと言っちゃうと、えっ?って思われるかもしれないけど、もうこの仕事始めてからずっと口にしていることがあって。それは「今やっているこの料理って仕事はいつ辞めてもいい」ってこと。

私、この仕事に拘っているわけじゃないんです。ましてや天職ー!などとも感じたことがない。明日から女優になってもいい。(無理だろ、と言われる笑)

今と同じくらい喜びや楽しさを感じられる何かができるのであれば、それはなんでもいいんです。

とりあえず今、楽しくて、人に喜びを与えられて、自分も喜びを皆さんから頂けることが、この菜食料理家・ヴィーガンフードクリエイターとしての「仕事」なわけです。

ひとりでやるにはひとりでやる苦しみや孤独ももちろんあります。多分みなさんが想像している以上にあります。誰も守ってくれませんし、責任は全て自分です。テキトーにやったら、テキトーな反応しか返ってこないでしょう。価値を作る、というところに踠くほどの産みの苦しみがあり、必死です。

具体的なことは書きませんが、その自分の産んだものをぞんざいに扱われたり、さも自分が産んだもののように載せられていたりすることもある。

それはとても悲しいですし、正直悔しい想いはあるけれども、本当に産んだ人にしかできないこと、見ている人は見ているから。

それは世の中に産み出している者の背負った宿命のようなものだと腹をくくってやってます。(ただ絶対許さん!完全に私の見えないところでやってくれ笑) 会社だったら、こんな想いはせずに、自分のすべきことだけをやっていればいいのでしょう。

そして仲間達と愚痴を言ったり、励ましあったり。

それよりも、私は苦しくとも、責任は全て自分でとることを選んだのです。孤独を選びました。それとこれを天秤にかけても、ひとりの方がやっぱり喜びが大きいから!

仕事って「とりあえず、何かすれば?」って神様が投げてくれたものだと思う。

人間として生を受けて、ただ寝てるだけじゃつまんない。ごはんもネットも誰かが作ってくれたものを受け取るには、自分も何かしないとダメらしい。とりあえずなんかしよう。すごいことやらなくったっていい。

何かすると、歯車が回るから。一方通行なんてない。毎日誰かがお金を支払って、誰かがお金を受け取る。誰かが奉仕しお手伝いをしてあげて、誰かが喜んだり助かったりする。

何かすると、誰かの幸せを作る。

仕事って、幸せを作ることなのかもしれない。

それがお金、というものに形を変えて受け取って、あなたも私もまた誰かの幸せを買う。

お金が入ったから幸せ、なんじゃなくて幸せを作ったからお金が入って、またそれで別の幸せを受け取る権利を得る。

とにかく動け、何かしろ。なんでもいい。それが仕事。

苦しみ、悩みながらも、幸せを見つける。誰かのためじゃなくて、自分がより良く生きるためにすること。嫌ならさっさと違うことやってみる。

それができたら動機はなんだってよくて、あなたの働きが、感謝や感動を産んでいるってことが見えないところで起こってるって想像してみたら、すごく楽しくなってこない?

 
 

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