香港旅行:英語と日本語の通じる漢方クリニックへ行ってきました。
3月、沖縄と気候が似ているであろう、少し春らしくなった香港へ。
久々の海外です。3月の初めに、主人と一緒に香港旅行へ行ってきました。
なかなか休みのとれない主人に合わせて、沖縄から直行便が出ていて数時間程度で行ける近場と言えば、台湾、香港、韓国くらいでしょうか。
台湾へは数年前に行ったので、今回は香港を選びました。
香港へは沖縄から飛行機で2時間くらい。
地図で見ると香港は沖縄よりもだいぶ下の方。
香港は亜熱帯気候に属し、暑い季節が長く湿気が多い。
ご近所さんだけあって、まるで沖縄のようですね。それだけで、もう、親近感。
九龍側からの香港島の眺め。(室内からですが・・・)
近未来×オールドホンコン。
私は香港へ行くのが初めてで、久々の海外ということもあり、彩のネオンが100万ドルで眩しい(イメージの)香港への旅がとても楽しみでした。
1997年までイギリス領だった香港は西洋と東洋が入り混じる、まさに沖縄の言葉でいうとちゃんぷるな(ごちゃまぜな)文化が根付く、不思議な街なのではないかとこころ躍らせていました。
中学生の時にBIG APPLE は「melting pot(人種のるつぼ)」だ。なんて言葉を覚えたものですが、その時は “るつぼ” なんて言葉の意味が曖昧すぎて辞書で引いても理解できていなかったと思うのですが、今なら分かる、その感覚。異文化が入り混じった場所には不思議と心惹かれます。
新旧ごちゃまぜな近未来な雰囲気を醸し出す香港。
東京ほど洗練されている感じはしなかったけれど、それでも、集合住宅の生活感溢れる中に、漢方薬局や漢方茶スタンドが入り混じる。そうかと思えば高級車がバンバン走り、高級ホテルが軒並み立ち並ぶ。みなぎるエネルギーが渦巻いているようでした。
ニューヨークにしても沖縄にしても、様々な文化や人種を受け入れる懐の深さというか・・歴史的な背景というものももちろんあるのですが、そういった雰囲気に居心地の良さを感じ、そこからまた新たなカルチャーが生まれることに刺激を感じ、また、なぜだか親近感すら覚えてしまいます。
今回は快適なホテルでの滞在を選択。
飛行機とホテルだけは最初にパパっと選んだものの、いつまで経っても何も調べず、直前になってやっと重い腰を上げ、急に本やネットなどで慌てて調べて旅に挑みました。3泊3日、、しかも初日は真夜中に到着。時間のない旅行の時はしっかり下調べをしていきます。
旅とはいっても・・・今回は「歩き回るよりもホテルでゆっくりしたい」という主人のリクエストに応えるべく、ホテルでダラダラ、近場をウロウロ的な冒険色の強くない旅行ではありましたが・・・(わたし的には街から離れてちょっと奥地まで遊びにいったりとかしたかったけど)それでも一つくらいはワクワクしたいでしょ。
と、いうことで、以前から興味のあった、漢方クリニックの予約だけはちゃっかり事前に準備していました。
漢方クリニックは本には載っていなかったのでネットで下調べ。
日本語も通じる漢方クリニックもあるというのを噂で聞いていたので、メールにて日本語と英語両方記入して事前に連絡をとってみました。
結構すぐにレスポンスがあって、戻ってきたのは英語のメールでした。
流石、香港。英語と中国語が公用語なだけありますね。(中国語、、とは言っても幅広すぎですが。)
ただ、街には英語が通じない場所も沢山あったので、ホントのところどうなのよ。とも思いました。
しかーーーし。
本には載っていなかったので、ネットで調べた情報を元に、多分この辺りだろうと地図に赤丸だけ付けて、クリニックの名前も記憶せず、住所など何一つインフォメーションを持参せず。。という大失態を冒してしまいました。
ビルの名前も、住所もまったくわかりません。しかもネット環境もない。唯一のインフォメーションは自分で付けた地図の赤丸のみ。。
ヤバい、せっかく予約までしたのに。と焦りました。情報が曖昧すぎるので主人もだんだんと苛立ちを隠せずに、もう「諦めたら?」と言ったその瞬間、ビルとビルの合間に吸い寄せられるようにふらりと入った雑居ビルのエレベーター脇のインフォメーションに、なんとなく見覚えのあるクリニックの名前があるではないですか。
あー、ここだ!ここです、ここなんですよ、旦那さま。主人の機嫌を損ねる前に見つかってくれてよかったよ。あぶなかった。。
ふー、これで一安心。
ということで、なんだかんだで見つかったクリニックにはきっとご縁があったのでしょう。。と思うことにしました。予約のギリギリ3分前でした。
旅の途中では、ご縁のある場所には運が導いてくれるというのは幾度となく経験したことがあります。
人生も、また、しかり。ですね。
いざ、漢方クリニックへ
ドクターは見るからに真面目で穏やかそうな風貌でした。おそらく娘さん?と思われる方が入り口を空けてくれて、パーフェクトな英語で対応してくれました。
漢方ドクターは中国では西洋のドクターと同等、あるいはそれ以上に地位の高いドクターとして認められています。
日本語もかなり上手で、問題なくコミュニケーションをとることができました。診察は日本語メイン。これは嬉しい。やはり母国語だとすんなり入ってくるので理解が深まります。ただ、ドクターにとって日本語は母国語ではないので、ちゃんと分かりやすいようにゆっくりとはきはきと難しい日本語は使わないように気をつけます。そしてお互いの理解が深まるように母国語の人がちゃんとリードしていきます。異文化交流では大切なことですね。
漢字圏で嬉しいのは漢字でなんとなくコミュニケーションがとれるところでしょうか。私がアメリカで学生をしていた頃、台湾人留学生に私の名前の漢字の読み方を教えてもらったのを思い出しました。異文化交流はいくつになっても楽しいものです。
今回、処方箋には英語ではなく、漢字で名前を書いてもらえる。なんだか、グッと親近感が生まれます。
まず、最初に簡単に漢方とは?的な説明をしてくれました。
もう、誰もがご存じだとは思いますが、漢方ではただ症状に合わせて薬を処方するわけではなく、まず最初に、顔や肌の色、声のトーン、雰囲気などを診ることからもう既に診断が始まっているそうです。同じ症状だとしても、体質や原因によって対処法が違ってくるというのが東洋の思想ですね。それはアーユルヴェーダでも同じことが言えるのだと思います。
それから、次に舌を見せてほしいと。舌診ですね。
舌を見れば消化器の状態やトラブルの原因が理解できるようです。
脈診をしてもらう主人。
それから、脈診。脈を診てもらいます。脈の強弱や温かさ、テンポ、などで判断するのでしょうか。
様々な要因から、体質を診ていくようですが、ここまで来た時点で、こんな事に悩んでいない?とか、あなたはおそらくこういうタイプでしょう。とかいろいろ教えてくれます。
それが結構当たっていたりして、やっぱり体質を診るというのは細かな部分でカラダをしっかり観察すれば大体の事がわかるものなのかもしれません。
ただ、体質とはいっても大まかなものから、さらに詳しく分類していくと、ものすごく幅広く枝分かれしていくのでそれはそれはややこしいのでしょう。その診断には熟練を要するのだと思います。
最終的には、今、悩んでいることや症状として現れている事はなに?と、聞かれました。そして、その悩みや症状に合わせてちょっとしたアドバイスと、漢方の処方箋を綺麗な漢字の直筆で書いてくれました。ドクター、あなた、めちゃめちゃ字うまいんですね。。
ちなみに、今回は主人と一緒に診察を受けました。アーユルヴェーダの時もそうだったのですが、夫婦で一緒に受診するというのは相手の事がより深く理解ができるようになるので、結構面白いです。ご夫婦やパートナーと一緒に旅行された際には是非2人で受診するといいかもしれませんね。相手の意外な一面や、あー、だからいつもこうなんだ!なんていう発見があるかもしれません。
同時に受診できるのか?というのも事前に確認したらOKが出たので問題なく一緒に診てもらうことが出来ました。
日本語で書かれた漢方の煎じ方を渡してくれる。
スラスラと私の処方箋を書いていくドクター。私は典型的なある体質のタイプだったのでしょうか。
主人の処方箋を書く時には少し頭を悩ませていました。体質と、症状と、悩みと、状態と。。少し考えて・・・思いついたように頷いてスラスラ書き出した仕草が印象的でした。
処方箋を元に、受付にて漢方を配合していってくれます。おそらく娘さん?と思われる女性が手際良く漢方を準備していきます。
こちらが私の処方された漢方。ゴジベリー(クコの実)が入ってる!
こちらが主人が処方された漢方
私のもらった漢方の配合と主人の配合は全く別物です。
「煎じるのは大丈夫ですか?」としきりに聞いていました。
「粉もあるのですか?」と聞いたのですが、
「んー、あるにはあるけど・・・」と微妙な対応。
「煎じたほうが効果があるのですか?」と聞いたら、はっきりと
「そうなんです。」と教えてくれました。
しかも煎じたてのものが一番効果があるから作り置きとかもあまりしない方がいいとのこと。1袋で2日分。水に浸して10分、煎じて約40分。1200mlが500mlになったら出来上がりです。結構、気合いが要りそうです。。
香港の街には驚くほど沢山の漢方のお店が溢れています。医食同源を重んじ、先祖代々伝えられてきており、そしてそれは色あせることなく、これからも永延と子孫へと伝承されていく古の叡智なのだと思います。
そのカルチャーにはどことなくシャーマニズム的なスピリチュアルな要素も加わり、理由はよくわからないけれど、従った方がよいよね、という文化的な営みとなって継承されていくのでしょうか。
医療制度と、医食同源と、家族の絆。そんなものが混ざり、合わさり、複雑に絡み合った結果として、香港はいまや日本を抜いて世界一の長寿となっているようです。
しかも介護が必要な長寿というよりも、健康寿命が長い長寿というようです。
複雑な要素が絡み合って結果として長寿となっているのだと思うので、必ずしも食だけが理由ではないとは思うけれど、いつまでも元気で、よく食べ、よく歩き、よく働き。
生き生きとした人々が暮らす、活気あふれる狭き香港には、世界には類を見ない、漲るパワーと古の叡智が複雑に絡み合う唯一無二の場所となって、これからも世界中の人を魅了していくのだと思います。
甘い梅干し。漢方は苦いから飲んだ後に食べるのだそう。
なにやら不思議なものがガラスケースの中に並べられています。
趣のある漢方クリニック。
中国の歴史を感じます。。
きらびやかな人体模型。経絡とかツボとかが書かれているのでしょうか。。
今回訪れた漢方クリニックはこちら↓
長寿園 LONG LIFE GARDEN
インスタグラムでも写真をアップしています。
LIVING LIFE MARKETPLACE